国立大学法人 電気通信大学 榎木研究室

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活動の報告

【特許について】
諸外国で熱交換器に関する国際発明特許出願(PCT)について

株式会社前川製作所との共同研究において、プレート式熱交換器内の気液二相流の冷媒分布の偏流現象に対する解決策を探求し、昨年の4月に本研究室で開発した可視化実験装置により、ほぼ完全に偏流を抑制することに成功しました。

この研究成果により、水力直径が約1mmの数十の流路が並列配置されたプレート式熱交換器内での偏流抑制が可能となり、熱交換器の効率を飛躍的に向上させることができました。特に、物性の異なる気体と液体が混ざり、流動沸騰が起こりつつ、かつ流れが複雑に変化する状況では、世界中の研究者が対処に苦しんできた問題であり、多くの提案が行われてきました。この研究成果により、特に工夫を加えていない状態の同型のプレート熱交換器と比較して、体積を大幅に削減し、1/20以下にまで縮小することが可能となりました。この効果により、省エネルギー化と省資源化への貢献が実現しました。

この研究室の実験では、どんな種類の冷媒や入口形状でも、物性の違いや流れの定常性に関係なく偏流抑制が可能であることを実証し、長年にわたり世界的な課題とされていたプレート式熱交換器の問題をほぼ解決しました。ただし、理論上はほぼどの冷媒にも適用可能ですが、今後も例外が出てくる可能性はあると考えています。

このため、PCT国際発明特許出願を行い、多くの国々で特許が受理されました。アメリカ、中国、インド、日本、韓国、ヨーロッパ諸国などでの特許出願が行われ、受理されたことで、この技術が国際的に認められたことを示しています。

今後は、この成果に関する学術的な研究論文を、実験に参加した研究室の学生と共同執筆し、国際的な学術コミュニティと共有する予定です。以下に、特許出願番号と発明者に関する情報を共有いたします。

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出願番号 : 18/554,912 (2022/12/21)
出願国 : 米国
発明の名称 : 熱交換器用プレート、熱交換器用プレート積層体、及びマイクロチャンネル熱交換器
発明者(敬称略) : 榎木 光治 , 西田 耕作 , 赤田 郁朗
出願人(敬称略) : 株式会社前川製作所 , 国立大学法人電気通信大学
技術担当者 : 金子 七三雄
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出願番号 : 202317072814 (2022/12/21)
出願国 : インド
発明の名称 : 熱交換器用プレート、熱交換器用プレート積層体、及びマイクロチャンネル熱交換器
発明者(敬称略) : 榎木 光治 , 西田 耕作 , 赤田 郁朗
出願人(敬称略) : 株式会社前川製作所 , 国立大学法人電気通信大学
技術担当者 : 金子 七三雄
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出願番号 : 特願2023-570896 (2022/12/21)
出願国 : 日本
発明の名称 : 熱交換器用プレート、熱交換器用プレート積層体、及びマイクロチャンネル熱交換器
発明者(敬称略) : 榎木 光治 , 西田 耕作 , 赤田 郁朗
出願人(敬称略) : 株式会社前川製作所 , 国立大学法人電気通信大学
技術担当者 : 金子 七三雄
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出願番号 : 10-2023-7036783 (2022/12/21)
出願国 : 韓国
発明の名称 : 熱交換器用プレート、熱交換器用プレート積層体、及びマイクロチャンネル熱交換器
発明者(敬称略) : 榎木 光治 , 西田 耕作 , 赤田 郁朗
出願人(敬称略) : 株式会社前川製作所 , 国立大学法人電気通信大学
技術担当者 : 金子 七三雄
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出願番号 : 22915849.8 (2022/12/21)
出願国 : EPC(ヨーロッパ)
発明の名称 : 熱交換器用プレート、熱交換器用プレート積層体、及びマイクロチャンネル熱交換器
発明者(敬称略) : 榎木 光治 , 西田 耕作 , 赤田 郁朗
出願人(敬称略) : 株式会社前川製作所 , 国立大学法人電気通信大学
技術担当者 : 金子 七三雄
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出願番号 : 202280028833.1 (2022/12/21)
移行日     : 2023/10/16
出願国 : 中国
発明の名称 : 熱交換器用プレート、熱交換器用プレート積層体、及びマイクロチャンネル熱交換器
発明者(敬称略) : 榎木 光治 , 西田 耕作 , 赤田 郁朗
出願人(敬称略) : 株式会社前川製作所 , 国立大学法人電気通信大学
技術担当者 : 金子 七三雄
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