【研究室の取材と見学訪問】渋谷教育学園渋谷中学高等学校の生徒さん2名
2025年3月26日(水)に、渋谷教育学園渋谷中学高等学校の生徒さん2名が、榎木への取材を目的として本研究室を訪問してくれました。
研究室ホームページのお問い合わせフォームからご連絡いただき、取材だけでなく研究室見学もいかがでしょうかと提案したところ、ぜひとの返事をくれました。
メールでのやりとりでは、とても丁寧な文章を書いてくれるので、どのような生徒さんが来られるのか楽しみにしていました。実際にお会いして取材内容を含めた議論を始めると、「熱の伝わり方と電気の伝わり方には“アナロジーの関係”がある」という話題が出た際、「アナロジーとは何か分かりますか?」と尋ねたところ、即座に「類似や類推ですよね」と答えてくれて、その知識に驚かされました。
さらに、微分を使って説明したほうが理解しやすいと思い「微積は分かりますか?」と尋ねると、「簡単なものであれば大丈夫です」とのことで、微分方程式を用いた話を進めました。途中、理解度を確認しながら進めましたが、しっかりと把握している様子が伝わってきました。
知識だけでなく、論理的に物事を深く考える力にも秀でていると感じたので、「炭酸の入った飲み物が、なぜ振動させると気体が液体から抜けていくのか?」という模擬研究の課題を出してみました。すると、その場で建設的な議論を進め、最終的にはヒントなしで正解に到達しました。本研究室で撮影していたペットボトル落下時の高速度カメラ映像との検証を合わせ、自分たちの導いた答えが正しいことを確認でき、たいへん喜んでもらえました。
驚いたのは、この2名が中学3年生で、翌月から高校1年生になるという事実です。
私は高校2年生くらいだと想定していたため、こんなにも優秀な生徒さんがいらっしゃることを知り、科学の楽しさを共有できたことを嬉しく思いました。
また、本研究室の学生達が、生徒さんたちの質問に的確に答えている様子を見て、日本のトップレベルの若者を支える教育システムの大切さを改めて実感しました。
いわゆる“渋渋”や“渋幕”の生徒さんが優秀であることは耳にしていましたが、実際に対面してみると、その個人差はあるだろうけれども、素晴らしい人材を有することを実感することができました。
また、本学と渋谷教育学園渋谷中学高等学校が協定校であることを、たいへん嬉しく感じる機会にもなりました。
以下に、取材と見学に訪れてくれた2名から寄せられた感想文を掲載します。あわせて、当日の写真も掲載してよいかをご本人や親御さんにもご許可を得ましたので、研究室のホームページに掲載する運びとなりました。
Oさんの感想文(原文のまま)———–
研究室訪問の目的は雪発電に関しての質問をすることでしたが、物理や工学の面白さの本質に触れることができ、とても実り多い時間になりました。高校生になる今、学習への姿勢についてお話をいただけたことは、これからの人生においても大きく役立つと感じています。
技術の革新に驚いたことはもちろん、今学校で学んでいる基礎的な理科の内容が、実際の研究にも応用されていることが一端でも見えたことは、非常に貴重な経験でした。また、理系の研究室ということで技術開発に焦点を置かれているだけでなく、その技術によってどのような人が救われるのかという社会的な視点まで深く考えられていることに特に感動しました。
今回の訪問は、「何のために学ぶのか」を自分自身で振り返る良い機会にもなりました。お忙しい中、貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました。
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Nさんの感想文(原文のまま)———–
雪発電の研究に関して理解を深めたいという思いで訪問しましたが、他にもさまざまな研究についてお話を伺い、実物を見せていただくことで、自分の知識がさらに広がり、深まったと感じています。
もともと私たちは「雪は邪魔で危険である」というマイナスなイメージをなくし、プラスの価値を見出したいという考えから雪発電に興味を持ちました。私は、お話の中でこの発電は「むしろ雪が降った方がありがたくなる」という話が印象に残りました。雪発電を導入することは雪へのネガティブなイメージをなくし、ポジティブに捉え直すことができると実感し、とても感動しています。
また、雪発電はすでに研究し尽くされていると思っていたのですが、知名度の向上や活用の幅の拡大といった課題が残っていることを知り驚きました。物理学の基礎でさえ曖昧な私たちには、まだアイデアをものにする力はありませんが、「こうすればこんなこともできるんだ!」という発見が数多くあり、今後に繋げていきたいと強く思いました。
貴重な経験をさせていただき、本当にありがとうございました。
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