国立大学法人 電気通信大学大学院 情報理工学域 Ⅲ類(理工系) 榎木研究室

高速度カメラを使用して、冷媒が沸騰開始し始めた場所を捉えた映像
一辺が1mmのとても小さな四角形断面を有する流路内を垂直上向きに冷媒が流動する様子
このような映像をもとに物理現象を解明
これらを数式等として表現することで機械機器の研究開発に役立てる基となる研究を遂行

Enoki Lab.

高速度カメラを使用して、冷媒が沸騰開始し始めた場所を捉えた映像
一辺が1mmのとても小さな四角形断面を有する流路内を、垂直上向きに冷媒が流動する様子
このような映像をもとに物理現象を解明
これらを数式等として表現することで機械機器の研究開発の基礎となる研究を遂行する

研究内容・・・熱流体工学、 熱力学、 伝熱学、 流体力学、 機械学習

★配属希望学生へ:配属面談で意欲を確かめ、GPAは関係なく、興味のある科目に対して特化した成績を上げているなど、研究に向いている人を優先的に配属決定します。意欲とは、この分野に興味があり、大学院への進学希望して修士号取得まで研究を遂行する意志がある学生と考えています。
 本研究室は、学ぶ意欲、知的好奇心を十分に満たせる研究環境にあります。上級生と同様に私生活を楽しみながらも、研究室生活の中で切磋琢磨して高みを目指し、将来一流の研究者やエンジニアとして就職し活躍したい人を歓迎します。

 榎木研究室では、熱流体工学の立場からエネルギー・環境問題にかかわる研究に取り組み、持続可能な社会に貢献することを目指しています。
 たとえば、身の回りの機械機器はほぼ間違いなく熱的な設計が行われています。そしてその設計が機械機器の性能を大きく左右することも少なくありません。本研究室では、その非常に重要な熱的設計手法の観点から、機械機器の高効率化を目指した研究に取り組んでいます。
 
 研究室の特徴としては、ライカの顕微鏡レンズ等を取り付けた高速度カメラによる流体の鮮明な可視化、温度や圧力の高精度な測定・校正、それに伴う信頼性の高いデータ取得と解析、最終的に整理式として物理現象を数式化する事を得意としています。
 そして、研究室に配属された学生は、次のことに取り組みます。
① 従来にない研究を世界に先駆けて遂行するために必要不可欠な実験装置について、構想し設計・組立てを主体的に行う経験を積むこと。
② 流体の熱的情報をリアルタイムでモニタリングする技術を学ぶ事。
①、②により、熱流体工学の研究に欠かせないミクロとマクロ双方の技術を包括的に習得し、貴重な精密データを取り逃すことがないように教育・指導しています。また、大小は問わず多くの企業からの学術相談を受けることで、学術研究の成果を社会に還元することにも努めています。

・・・熱交換器の高性能化に関する研究・・・
微細流路内気液二相流動現象の解明
keywords: 気液二相流、マイクロチャンネル、可視化、機械学習

内径1mm程度の微細流路内を流れる気液二相流の複雑な流動現象を解明し、空調機や冷蔵・冷凍庫、自動車等の様々な機械機器の高性能化を図る研究。
近年では人工心肺装置など血液を冷やしたり温めたりすることへの応用研究の相談も受けている。

・・・工場排熱等を回収し他のエネルギーとして利用するための研究・・・
排熱有効利用促進のための研究
keywords: 多孔質体、可視化、流体の相状態によらないエネルギーの高効率変換技術

現在は廃棄されている、200℃程度の工場排熱やマイナス200℃のLNG(液化天然ガス)の熱エネルギーを、これまでにない高い効率で回収し、他のエネルギーとして利用するための研究。
エネルギーのカスケード利用を促進することを目標としている。

・・・電子機器などの高性能化に関する研究・・・
サブクール沸騰熱伝達の研究
keywords: 気液二相流、サブクール沸騰、多孔質体、可視化

航空宇宙関連機器、新幹線などのインバータ、CPU等の電子機器の高性能化には、これらの機器から発せられる高熱をいかに除去する事ができるかがキーポイントとなる。大小問わず高効率に熱除去できる熱交換器の研究開発を行う。

・・・次世代型冷凍空調機の世界規格を決定する大プロジェクト・・・
混合流体沸騰現象の解明
keywords: 沸騰熱伝達、混合流体の沸騰熱伝達、熱物性、可視化、機械学習

現在、冷凍空調機器で使用されている代替フロン冷媒は、オゾン層破壊には影響しないが、地球温暖化係数GWPが高く、今後は使用が徐々に禁止されていく。このため新冷媒を探索研究中である。そこで新冷媒研究の世界的な動向として、2種類以上の異なる性質を持つ冷媒を混合させることで、冷媒の持つメリットとデメリットを補うことを目指している。一方で、混合物質では沸騰しやすいものが先に気化するため、混合冷媒の物性が局所的に大きく変化するなど沸騰現象が非常に複雑になるという問題点もある。次世代型冷凍空調機を設計する際には、この複雑な沸騰現象を明らかにする必要がある。そこで本研究室では、高速度カメラや数値シミュレーションを駆使して、この複雑な沸騰現象の物理メカニズムを解明し、世界規格としていくための研究を行っている。

学歴

2005年4月
鹿児島大学 工学部 機械工学科 入学
2008年3月
九州大学大学院 工学府 3年次 飛び級試験に合格
鹿児島大学 中退 (学士取得なし)
2008年7月 - 2008年8月
タイ王国立マヒドン大学(Mahidol University)
インターナショナルカレッジ短期留学
2010年3月
九州大学大学院 工学府 機械科学専攻 博士前期課程 修了
2013年3月
九州大学大学院 工学府 機械工学専攻 博士後期課程 修了

学位

2010年 修士(工学)
2013年 博士(工学)
学位指導教官:九州大学 森英夫 名誉教授

経歴

2012年4月 - 2013年3月
日本学術振興会 特別研究員 (DC2)
2013年4月 - 2013年6月
日本学術振興会 特別研究員 (PD)
2013年7月 - 2015年3月
東京農工大学 特任助教
2015年4月 - 2020年3月
電気通信大学 助教
2015年7月
(兼)早稲田大学 招聘研究員
2019年10月
(兼)Sebelas Maret University 客員講師
2020年4月
電気通信大学 准教授

研究室メンバー

榎木 光治 (Principal Investigator)
助教 (2020年度から准教授)
電気通信大学大学院 機械知能システム学専攻
〇 早稲田大学 理工学術研究院総合研究所
〇 早稲田大学 重点領域研究機構
〇 Sebelas Maret University

業績詳細は大学公式サイトをご覧ください(リンク)
Agung Tri Wijayanta
定期来日国際研究員
准教授
Sebelas Maret University
博士(工学)(九州大学)
湊 明彦
客員研究員
博士(工学)(東京大学)
Indri Yaningshi
日本学術振興会
外国人特別研究員(PD)
2020年4月採択
博士(工学)(九州大学)
池田 茜
秘書
Edgar Santiago Galicia
博士課程 1年生
熊取 弘祐
修士課程 2年生
小林 拓都
修士課程 2年生
大友 優甫
修士課程 1年生
小林 哲也
修士課程 1年生
川上 将司
学部 4年生
渡邊 廉
学部 4年生

就職実績

本研究室では、学部生のほとんどが進学し、学部時代の研究を修士課程の学生として続けます。

2015年度
日産自動車株式会社
修士*東京農工大学時代の学生
2016年度
トヨタ自動車株式会社
学士
2017年度
株式会社クボタ / 三菱自動車工業株式会社
修士 / 学士
2018年度
ダイキン工業株式会社
学士
2019年度の内定者
スタンレー電気株式会社
修士
ダイキン工業株式会社
学士

学生の声

青栁理紗子(在校生)
学部4年生 通信工学科、情報通信システムコース
(現 Ⅱ類、情報通信工学プログラム)
三菱電機株式会社 宇宙事業部門内定
 私は、学部一年次の実験授業で榎木先生のご指導を受けて以来、もう5年も面倒を見て頂いております。情報通信システム専攻なので、機械知能システム学類であるⅢ類の榎木先生の授業を受けることはありませんでしたが、1年次に履修した物理実験で榎木先生に巡り合えたことは私にとってとても大きな成長のきっかけとなりました。この5年間、ご迷惑とは思いつつ事あるごとに榎木先生の貴重なアドバイスを頂きながら自分の進路を考えてきました。榎木先生から頂いたご助言は、将来の自分を考える大切な道標となり、今後の人生に活かしていくべき目標となっています。
 ここで榎木先生に助けて頂いた私の心に残る二つのエピソードを紹介したいと思います。
 1つは「留学」です。学生のうちに海外長期留学することが夢だった私は、学部3年次に、この夢を叶えるため留学資金の工面を始めたところ、文部科学省に留学奨学金 ‘トビタテ’と云うプログラムがあると知り、早速、選考の手続きを始めました。書類選考では「人生計画」を問われました。言いたいことは沢山あり、思考が交錯してしまい頓挫していました。榎木先生に助言を求めたのはそんな時でした。先生は、「質問の真意を探れ」とおっしゃいました。私は自分の考えを伝える事に必死になりすぎており、質問の意図が見えていませんでした。その後の先生の熱心なご指導のもと、質問の意図を汲み、それに沿った道筋で自分の考えを話すよう意識した結果、選考をクリアし、無事ドイツへの切符をゲットすることができました。
 2つ目は「就活」です。留学から帰国後すぐに就活を始めた私には時間がありませんでした。そんな時駆け込んだのもやはり榎木先生のところでした。
 エントリーシートや面接で問われる質問の真意、また思考論理の組み立て方等ご指導いただいた結果、エントリーした企業全てから内定を頂くことができました。これからは新しい目標に向かって自分のさらなる夢を追いかけることができそうです。
 榎木先生にご指導いただいたことは、数え上げたらきりがありません。沢山の機会を私に与えてくださるだけでなく、無知で無鉄砲な私に辛抱強くお導き頂いていること、榎木先生には心の底から感謝しております。本当にありがとうございます。
 私は今年度電通大を卒業し、翌4月からは社会人として、幼い頃からの夢であった場所で頑張っていきます。ただし、榎木先生に一言。“これで終わりにはなりません。気を付けてください。あの廊下の端から恐怖の足音が聞こえてきます。そしてなぜか聞きなれた声が言います。先生!これ教えてくださ~~い!“
ご注意の程。
渡嘉敷なつみ(卒業生)
研究室卒業生(2018年度)
ダイキン工業株式会社 勤務
 授業で榎木先生にお世話になり、熱流体分野に興味を持ちました。初めての研究はとても複雑で大変苦戦しましたが、先生は親身になって最後まで指導してくださいました。同期にも恵まれ、研究室での日々は忘れられないかけがえのないものです。

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